2009/01/06
硝酸塩と植物
植物は土中の窒素分を硝酸イオンの形で吸収し、葉の中で硝酸還元酵素と亜硝酸還元酵素の働きでアンモニウムイオンの還元され、グルタミン酸が結合しグルタミンと言うアミノ酸が生成されます。さらに各種有機酸と結合して最終的に蛋白質や核酸になります。これが窒素同化作用です。健康な植物が適度な硝酸を養分として吸収し、十分に日光が当たる状態だと蛋白質合成が進み、硝酸濃度は過度に高くなりません。ところが、肥料(窒素)過多、また、日光が不十分な場合、窒素同化作用がうまく行われないので蛋白質に変化しないで硝酸のまま残ります。
硝酸濃度の高い野菜は、葉の色も強い緑色で品質がよさそうに見えますが、味はよくありません。植物は、土中分の窒素を多く吸収する傾向にあり、必要以上に窒素同化作用を活発に行います。この際、光合成(炭酸同化作用)によって作られたグルコースが窒素同化作用を促すためのエネルギーとして消費されます。せっかく蓄えたグルコースなどが少なくなり糖度も低くなり、うまみも減るわけです。繊維質や機能も低下し野菜が軟弱化します。
硝酸塩のヒトへの影響
硝酸塩そのものはヒトには直接影響しませんが、硝酸塩は体内へ入ると亜硝酸塩に変化し、メトヘモグロビン血症や発ガン性物質であるニトロソアミン化合物が生成されます。また、ニトロソアミン化合物は、インスリンを分泌するβ細胞に障害を与え、インスリン分泌を阻害する働きもあります。つまり、インスリン依存型糖尿病を引き起こす原因にもなり得るのです。さらに、血液中の亜硝酸イオンは、体内の酸素の輸送を妨げるメトヘモグロビンを作り、それによって酸欠状態となり体が青白くなるチアノーゼ症状が発症し、生命の危険を及ぼすこともあります。これらの事実は、WHOの報告でも明らかにされています。
硝酸塩の作物への影響
窒素同化作用は、光合成で合成されるグルコースを必要としますので、土壌環境悪化からはじまり、過剰な施肥などにより硝酸濃度が過剰となり、また、日光不足により光合成により生成されるグルコースが不足したんぱく質合成が順調に進まなくなり、植物体内の代謝障害を起こし、エグミが多く、甘みも少ない、美味しくないものとなります。同時に、日持ちが悪く、漬かりも悪く、調理にも時間がかかります。
硝酸塩濃度の基準
EU基準事例
ほうれん草 3000mg/kg(11月~3月収穫)、2500mg/kg(4月~10月収穫)
日本事例
ほうれん草 3560±552mg(実際には5000を超えるケースが多い)
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2009/01/06
1月4日TV ASAHI番組より
「水の半島」と呼ばれるフロリダ半島。それを支えているのが、巨大な地下水脈です。フロリダには数千キロと言われる水中洞窟が地下に広がっており、そこを流れる豊かな水が、大小700以上もの美しい泉となって湧き上がっているのです。その水の総量は、1日300億リットル。フロリダの飲用水の90%を賄っているといいます。また、驚くのはその水の美しさ。「クリスタル・クリア」と呼ばれるほど水が澄んでいるのです。しかし、その美しい水がいま汚染され始めています。泉には有害な藻が大繁殖し、多くの動物たちが姿を消しました。そして原因不明のアレルギー症状が出る遊泳客も現れました。フロリダ州政府による調査の結果、多くの泉から高い数値の硝酸塩が検出されました。
しかし、この汚染物質は地下水脈を通じてやってきているため、どこが汚染源なの分かっていません。そこで、州政府は洞窟ダイバーと呼ばれる地元の冒険家たちに水脈の調査を依頼しました。番組では、洞窟ダイバーたちの前代未聞の調査プロジェクトに密着。泉の汚染に隠された、驚くべき真実を伝えると共に、謎と神秘の地下水脈の世界を紹介します、、、、、、
(以上、番組紹介)
実は、この汚染源、日本でも至る所で見られる現象です。原因は、私たちが人間の排泄物と農業用肥料なんです。日本各地でも素晴らしい自然で品質の良い農作物をうたい文句に産直野菜が流通しています。しかし、その近辺では環境汚染が進み、数年経つと良い農作物の収穫は困難となる可能性があります。
問題は、農業技術にあります。日本では肥料(特に窒素)過多となるケースが多く、農作物や土壌に窒素化合物が蓄積しているんです。特に硝酸塩は作物の栄養となる物質ですので多く与える傾向があり、濃度が度を超えると作物自身にも、人の健康にも悪影響を与えます。日本は欧米と比べると、この硝酸塩問題のとらえ方が少なく、国民への情報伝達もほとんどありません。ここでも欧米と環境問題における取り組みに大きな差ができているといえます。
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2008/12/30
経済産業省と農水省は、人工的な光と温湿度管理によって通常の10倍、20倍もの増産が可能な植物工場の普及を図るため、補助金制度を創設することを決めた。許認可の煩雑さや企業が参入する際の障壁なども、農地法の改正などを視野に解消を目指す。食料自給率の向上や食品の安全性向上、地域の活性化にもつなげたい考えで、両省は2009年1月から共同の検討チームを作り、3月末にも普及に向けた報告書をまとめる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081223-00000009-fsi-ind
過去、多くの事業者によりさまざまな技術を利用した水耕栽培が営まれてきた。
どの農法を取って見ても、年間を通じて品質が高く、味の良い作物ができるという。
しかし、内情は、赤字体質から脱却できず、大手食品会社から異業種参入組など退却した例が多くあった。
問題は、室内で生産するために、環境を整えるのを機械、システムに頼り、頻繁に起こり得る病害虫対策やや味の向上に、予想以上のコストがかかり、さらに、収穫量が思った以上に上がらないためである。廃棄率が思った以上に多い。
作物が、多くの栄養素や微生物などいかに自然の力に頼っているのかが分かる。作物に必要な栄養素理論、微生物、根圏の研究もこれから本格的に始めるところである。高コストの補助をしても本質的な生産性は上がらない。ここでも、市場性、事業性が問われるのである。過去の問題を解決し、少しでも低コストなシステムの出現を期待したい。
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2008/12/26
生産効率について考えてみよう。
さまざまな要素があるのだが、まず、収入に関しては下記の要素で決まる。
収穫量(単収×耕作面積)×収穫率
年間の収穫回数
それらにかかるコストとしては、種・苗・資材(土壌改良剤・肥料・農薬など)、
その他に、機械や耕作地にかかる費用、電気代、そして人件費となる。
アメリカと大きく異なるのは、収穫面積とそれに関わる人件費と言ってもよい。何百倍もの違いがあるのだ。
ここで勝負をしてもかなわないため、日本は収穫量と収穫率、品質で勝負したい。アメリカはざっくりタイプの生産なので、年間収穫回数でも日本は優位なはずである。収穫量を3~5倍に、収穫率を限りなく100%に近づけることで、相当な効率化を図ることも可能だ。さらに、資材を削減する技術もある。特に日本は肥料の原料を輸入に頼らざるを得ない。国は、作らなくなった農家の所得保障ではなく、生産効率や品質を向上のための技術やコストの援助、つまり作るための支援をすべきであろう。あとは、市場性の確保である。
世界を見渡すと、食料不足でない国はない。食文化に協会がなくなってきた現代では、さまざまな食材や料理(味)が求められている。世界中に市場を求めれば、減反や廃棄などということは必要がなくなるというものだ。
国内ではできる限り多く生産し、世界に市場を求め、あわせて、国が買い上げるなどして食糧難の国へ現物支給を行う。
そうすることにより、生産効率は向上し、結果、自給率も向上するはずである。
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2008/12/18
つづき
日本の農業は、野地法の問題や固定費の高さ、資材の価格においてもコストをかけ過ぎている。まず、この点を解決し、その上で優れた技術を利用し、海外との差別化を明確にする必要がある。
例えば、アメリカ西海岸と比較すると、日本のコメは3倍もかかる。農産地、機械化、資材、技術など、どれをとっても勝てる要素はない。カリフォルニアは完全な有機米なのである。味も良い。かろうじて、778%(小麦・大麦は252%、バターは482%、砂糖325%、こんにゃく芋は1705%)の関税率のおかげで価格競争力が残っているだけである。
日本の農業の取る道はいくつかあるのであろうが、まず、安全性、高品質、そして日本人の口に合ったものを作ることであろう。消費されなければ意味がない。そのためには、アメリカのレベルばでは到底及ばないものの、優れた技術により収穫量を上げること、資材を削減することが必要となる。筆者が見たところ、それに耐えうる技術は多く存在する。問題は、それをどう利用し利益構造をどうやって変革してくのかなどの運営面にあると考える。
また、実需者のニーズに応えたもの作りも必要であろう。言っておくが、これは高価な農産物を指しているだけではなく、通常価格のものを期待してのことだ。2~3倍もする野菜がバカ売れという現象はよく目にするのだが、買う方も作る方も意外と長続きはしないものである。
一方のアメリカであるが、彼らも土壌環境の問題を抱えている。そのため、遺伝子組換えによる防御は、さまざまな作物にまで広がり、コスト増の要因もはらんでいる。しかし、トウモロコシ、大豆ではほとんどが遺伝子組換えとなっているにも関わらず、パンの原材料である小麦は非遺伝子なのである。これはどう言うことであろうか?
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